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橋本努ゼミ 個人研究発表のすすめ方

 


 

【概要】

・個人で一つの研究課題に取り組み、その成果をゼミで発表します。

10週間(約2ヶ月半)以上をかけて取り組みます。

・発表時間は20-25分です。

・年に1-2回の発表を通じて、卒業論文を完成させていきます。(発表回数は就職活動の状況に依存します。)

 

【課題の進め方】

■第1週目:

1.研究発表の大枠となる主題と人物名を設定する。(例えば以下のような主題と人物名から、それぞれ一つを選んでください。

「主題」:労働、仕事、消費社会、豊かさ、価値、貨幣、自由、資本主義、交換、贈与、秩序、選択、環境、市場、経済倫理、競争、独占、福祉、その他の経済学説史のテーマなど。

「人物」:ロビンソー・クルーソー、ベンジャミン・フランクリン、J.S.ミル、ロバート・オウエン、カール・マルクス、チェ・ゲバラ、ローザ・ルクセンブルク、マックス・ウェーバー、福沢諭吉、大杉栄、河合栄治郎、ヴェブレン、J.M.ケインズ、松下幸之助、ハイエク、ジョージ・ソロス、ソルジェニーツィン、リー・クァン・ユー(シンガポール首相)、など。)

2.特定のテーマや関心を三つ以上挙げる。(例えば、「豊かさ」概念の歴史、ジンメルの貨幣論とポランニーの貨幣論の比較、など。その際、八木紀一郎ほか編『経済思想史』名古屋大学出版会、などの入門書を参考にしてください。)

3.三つ以上挙げた特定のテーマや関心について、それぞれ2-3のキーワードを確定する。

4.過去の「個人研究発表レジュメ」のサンプルを読んで、400字以上の感想文を書く。

5.過去に提出された卒業論文のなかで、自分が気に入ったものを一つ挙げて、それについて200字以上のコメントを記す。(卒業論文は、経済学研究科二階の図書室に保存されています。係の人に尋ねて、見せてもらってください。その際、とくに各種の「賞」をとった数編の卒業論文を参考にしてください。)

6.テーマを設定する際に、教員および先輩からのアドバイスを受ける。

7.以上の事柄を確定して、まとめて一つのファイルにしてメーリングリストに流す。

 

■第2週目:

8.研究テーマを明確に絞り込む。(個人発表のタイトルとサブタイトルを暫定的に決めてください。後から変更して構いません。)

9.個人発表で用いる主要な文献(著作)を3冊以上、確定する。

10.以上の二つの情報をメーリングリストに流す。

11.「研究計画書」の項目をすべて記入して提出する。(とくに参考文献を必ず20冊以上挙げてください。結論を暫定的にでっち上げてください。課題設定・アプローチ・結論は、独創的なものにしてください。「研究計画書」は、各自、ゼミのホームページからダウンロードして作成してください。記入したものを次の演習日に持参してください。)

12.三つのキーワードを確定して、それぞれ五つの辞書類を用いて調べる。(ここで「五つの辞書類」とは、百科辞典類2冊、辞典・事典類2冊、『現代用語の基礎知識』や『イミダス』などの現代用語事典類1冊、とします。それぞれ、調べた辞書項目をすべてコピーして、重要な箇所に蛍光線を引き、そのコピーを次の演習日に持参してください。)

 

■第3週目:

13.それぞれのキーワードについて、大学図書館のデータベースを用いて、学内で利用可能な図書リストを作成する。(リストをそのままプリントアウトして、次の演習日に持参してください。)

14.それぞれのキーワードについて、「雑誌・記事総合索引」のデータベースを用いて、過去20年間の雑誌・記事リストを作成する。(リストをそのままプリントアウトして、次の演習日までに持参してください。)

15.以上に挙げた図書と雑誌の情報を元にして、「精読すべき文献」、「重要な文献」、「やや重要な文献」、「ざっと目を通しておくべき文献」を確定していく。(プリントアウトした図書リストの諸論文に、それぞれ印をつけてください。この課題の趣旨は、大量の文献情報のなかから、必要な情報を選択する能力を鍛えることにあります。本研究課題では、最初に大量の情報にアクセスして、そこから取捨選択するという作業を重視しています。)

16.基本文献となる本を読み、レジュメを作成する。(レジュメとは、引用集のことです。サンプルを参考にしてください。レジュメの書式は、Microsoft Wordで作成、A4用紙、余白は上下左右すべて30mm、文字数:40字×40行、10.5ポイント、MS明朝体+century、フッターの中央にページ数を挿入、作成者の名前と日付を最初に明記、次に書誌情報を明記、各引用文はかぎ括弧でくくり、閉じ括弧の後に半角英数文字(century)で頁数を明記、以上です。レジュメの量は、文字数にて8,000字以上とします。つまり、400字の原稿用紙で20枚以上です。)

17.読む本にはアンダーラインを引く。(レジュメを作成するために必要な本は、基本的に購入して、アンダーラインを引きながら読んでください。やむを得ず図書館で借りる場合は、それをコピーして、アンダーラインを引きながら読んでください。そしてアンダーラインを引いた本およびコピーを、次の演習日に持参してください。以下、この作業は第8週目まで毎週続きます。)

18.基本文献となる本を、5冊以上購入する。(いくつかの図書は、図書館で借りるのではなく、書店で購入し、アンダーラインを引きながら読んでください。書店にない本は、さっそく注文してください。次の演習日には、購入した図書ないし注文書を持参ください。)

19.レジュメおよび購入した本のリストを、メーリングリストで流す。

 

■第4週目:

20.資料を取捨選択しながら収集する。(研究に必要な20冊の本と20本の論文を確定して、それをリストアップしてください。そして、図書館にある本や雑誌を借りて、第8週目までに、少しずつコピーしていってください。また札幌市立図書館や他大学の図書館もご利用ください。)

21.個人発表のための文献を読み、レジュメを作成する。(基本文献やその他の文献(キーワードに関する辞書の内容を含む)をいくつか組み合わせて、レジュメを作成してください。レジュメの量は、10,000字とします。以下、この作業が第8週目まで毎週続きます。)

22.読んだ文献にアンダーラインを引く。

23.資料リストとレジュメをメーリングリストで流す。

 

■第5週目:

24.個人発表のための文献を読み、レジュメを作成する。

25.読んだ文献にアンダーラインを引く。(アンダーラインを引いた本およびコピーを、次の演習日に持参してください。)

26.レジュメをメーリングリストで流す。

 

■第6週目:

27.個人発表のための文献を読み、レジュメを作成する。

28.読んだ文献にアンダーラインを引く。(アンダーラインを引いた本およびコピーを、次の演習日に持参してください。)

29.レジュメをメーリングリストで流す。

 

■第7週目:

30.個人発表のための文献を読み、レジュメを作成する。

31.読んだ文献にアンダーラインを引く。(アンダーラインを引いた本およびコピーを、次の演習日に持参してください。)

32.レジュメをメーリングリストで流す。

 

■第8週目:

33.個人発表のための文献を読み、レジュメを作成する。

34.読んだ文献にアンダーラインを引く。(アンダーラインを引いた本およびコピーを、次の演習日に持参してください。)

35.レジュメをメーリングリストで流す。

 

■第9週目:

36.「発表原稿」を作成して、メーリングリストで流す。(発表原稿は、発表日の1週間前までに完成させてください。発表レジュメの量は、8,000-10,000字です。発表レジュメの作成方法は、過去のサンプルを参考にしてください。レジュメ様式は他と同様です。)

37.これまで作成したレジュメを一つのファイルにまとめてメーリングリストで流す。(合計すると、48,000字以上のレジュメになります。個人発表は、どれだけ準備に取り組んだのかという点でも評価されますので、さらに追加的なレジュメを加えることも可能です。)

 

■第10週目:

38.発表原稿に最後の加筆・修正を加える。(発表原稿の完成度を高めてください。とくに文献表記を整え、専門用語に関する解説を加えてください。ただし、加筆・修正に際して、第九週目の発表原稿の内容を大きく変更しないでください。)

39.発表原稿に、図表やデータを加える。(各種の「白書」や統計資料を利用してください。)

40.発表の練習をする。(20-25分の発表練習を、自宅でカセットテープ/MD/ボイス・レコーダーに録音して、それを発表当日に持参してください。)

41.発表原稿をメーリングリストに流す。(発表日は、発表人数の関係で2週に分かれることがありますが、すべての発表者は、最初の発表日の前日までに発表原稿をメーリングリストに流してください。)

42.予想される質問を10項目想定して、それに答える。(2,000字以上の質問応答集を作成してください。プリントアウトしたものを、発表当日に持参してください。)

 

■発表当日:

43.発表をする。(人前で話すことに慣れていない学生が多いと思いますが、アイコンタクトや姿勢や声の大きさに注意しましょう。発表時間は20-25分、質疑応答時間は5-10分です。)

□他の発表者の発表に対して、質問をすると同時に「評価シート」を記入する。

□教員からアドバイスと評価を受ける。

 

■その後の過程:

44.すぐれた発表は、その研究課題を、継続して卒業論文の作成へと結び付けていきます。そしてすぐれた卒業論文はホームページで公開することがあります。いま一つの発表は、発表後にさらなる修正と再提出を求めることがあります。